自分らしい最期のための終活・葬儀の事前準備に

初めてのお葬式、失敗しない葬儀社の選び方は?

ご家族、身内の突然の不幸、ご自身の将来的なお葬式の手配など、葬儀社はどのように選べばいいのか。と悩まれる方も多いと思います。

親戚付き合いの多いご家庭や、代々続いているご家庭の場合は、ある程度対象の葬儀社が限られていると思いますが、ご実家が遠方の方の場合は特に困ってしまいますよね。

そこで今回の記事では「失敗しない葬儀社の選び方」について、詳しく解説していきます。

なぜ葬儀社選びに「失敗」があるのか

そもそも、葬儀社選びに失敗は存在するのでしょうか・・・?

答えは「YES」です。その理由は大きく2つあります。

求めるお葬式の内容は人によって異なる

お葬式に限ったことではありませんが、式の内容がある程度自由に決められる場合、人によってどこまで求めるのかが変わってきます。

例えば、どれくらいの規模のお葬式にするのか、祭壇はどの程度豪華にするのか、棺桶のグレードは、どの宗教・宗派に則って行うのか・・・。など、項目を細かく上げ出したらキリがありません。

さらに、お葬式の内容に関する決定権は「喪主(施主)様」にあり、故人様にはありません。故人様のためを思って色々と考えるうちに、故人様の願いや親族の方の考えから離れてしまうことも多々あります。

このような状況で、しかも限られた時間の中でスケジュールを組むことになりますので、求めるお葬式を提供できる葬儀社選びができないと、失敗につながる(失敗したと感じる)可能性が高くなります。

葬儀社は誰でも簡単に開業できる

前提として、葬儀社には特に難しい資格の取得が必要な業種ではなく、営業許可についても「許可制」「届出制」ではありません。

そのため、異業種からの参入が比較的楽な業種であると言えます。

高齢化社会に伴い、国会でも届出制導入などが検討されるような場面も出てきていますので、今後整備される可能性はありますが、現状ではないということを知っておきましょう。

このような現状ですので、葬儀社によって価格やサービスが大幅に異なることもあります。

許可も届出も必要ないということは

サービス業としてあってはならないことですが、許可も届出も必要ないということは、サービスの質に何の保証もない。ということでもあります。葬儀社選びの際、規模だけでは判断できませんがHPなどをしっかりとチェックするようにしましょう。

初めてでも失敗しない葬儀社を選ぶ6つのポイント

あまり何度も経験はしたくないものですが、初めてご自身が喪主になられたときは葬儀社の選び方は何も知らない状態でご不安ですよね。

ここでは葬儀社選びの際に特にチェックをしておいてほしいポイント6をご紹介いたします。

ポイント①搬送とお葬式は別の葬儀社でもOK

日本人の約80%は病院でお亡くなりになり、病院で亡くなった後は霊安室にて一時安置された後に葬儀社によって別の安置所に搬送されます。

その際、霊安室の利用時間は限られているので葬儀社の手配の時間もなく、病院等で紹介された葬儀社(基本は病院の近くの葬儀社など)にご自宅等の安置場所までの搬送を依頼することになります。

ここでポイント!

あくまでも病院からのご遺体の搬送だけを依頼した状態ですので、必ずしもそのままその葬儀社のお葬式の手配までを頼む必要はありません。

ご遺体の搬送の際のスタッフの扱い方、喪主様、ご遺族への対応など、そういった部分を見て安心して任せることができないと思えば、別の葬儀社を選ぶこともできます。

葬儀社選びに時間がないことも事実

故人様が亡くなられてから、お通夜まではあまり時間がなく、特に夏場では衛生面も考えてなるべく早めの手配が必要になります。理想は搬送からお葬式の手配まで、信頼できる葬儀社をあらかじめ見つけておくことが理想です。

ポイント②予算の上限を決めておく

お葬式にはプラン料金が決められていることが多く、ほとんどの葬儀社で「〇〇万円〜」と記載があります。一見安く見える場合でも、安置にかかる日数や葬儀場の規模、参列者の数などによってどうしても費用がかかってしまうこともあります。

どのプランが最も安く済むのか、どういったものの手配がなくてもいいのかなど、短い時間で喪主様が判断するのは難しいこともありますので、最低限「予算の上限」をはっきりと決めておき、その金額を葬儀社に伝えておくようにしましょう。

信頼できる葬儀社であれば、見積もりの際に予算を超えないようにプランなどのアドバイスをしてくれるはずです。

ポイント③お葬式の規模を決めておく

結婚式とは違い、お葬式の場合は参列者の人数をあらかじめ把握したり、制限するのが難しい傾向がありますが、それでも大体どれくらいの規模にするのかを決めておく必要があります。

故人様の年齢や生活環境によっても異なりますが、次の①〜⑤のどこまでに訃報を出すかである程度の規模を把握しておきましょう。

  1. 家族・近親者
  2. 親戚
  3. 友人・知人
  4. 会社・仕事関係
  5. 近所・隣人

①家族・近親者には訃報を出すのがほとんどですが、⑤については参列していただく機会はほとんどなくなってきています。③友人・知人については、学校関係などがない場合は普段から親しくしている人だけに伝え、その人が周りの人を誘う程度に収まることが多いです。

規模に合わせてお葬式の日程もチェックしておきましょう

お葬式には「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬(火葬式)」などの種類があります。参列者の規模やご予算などによっても行える種類が異なりますので、葬儀社に相談してみましょう。

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ポイント④お葬式の形式を決めておく

故人様(もしくは喪主様)に信仰している宗教・宗派がある場合はその形式で行うことになりますが、日本人の約60%は無宗教と言われていますので、そのような場合はどのような形式でお葬式を行うかを決める必要があります。

といっても、多くの場合は仏式で行いますのでそこまで深く考える必要はありません。

少し特殊な例ではありますが、故人様のご意向などにより、樹木葬や散骨葬、音楽葬などのいわゆる「自由葬」をご希望されている場合は対応できる葬儀社を探す必要があります。

ポイント⑤複数社へのアイミツをとる

葬儀社を決めるのに時間がない!という状況でも、出来るだけ複数社への相見積もりを取るようにしましょう。

理想は3社以上ですが、地域によってはそこまで葬儀社が多くない場合もありますので、最低2社に見積もりをお願いしてください。

その際見積もりの金額だけではなく、見積りに含まれる内容(どこまでがプラン料金で、どこからが追加料金)についてもしっかりと説明を聞いておきます。もし、説明内容が分かりにくいような場合はきちんと分かりやすく説明してもらうように求めましょう。

相見積もりを取るためにもポイント②〜④を決めておく

相見積もりを取る際、見積り同士を比較するためにはある程度条件を揃えておく必要があります。そのため、ポイント②〜④を決めた上で見積り依頼をするようにしましょう。

ポイント⑥事前相談をしておく

最後のポイント⑥は将来的な備えとしてのポイントですが、あらかじめ事前相談をすることで葬儀社のスタッフの対応などを確認しておきましょう。

事前相談はご自身のお葬式についての相談がメインになりますが、何社かに相談しておくことで、大体のスタッフの対応や料金などについても把握しておくことがでいます。

そのため、ご自身のお葬式だけではなく、もしご自身が喪主になった時にも役立てることが出来ます。

信頼できる葬儀社を選ぶ基準

とりあえず6つのポイントは抑えた!理解した!・・・けど、どうやって判断したらいいのかわからない。という方も多いですよね。

ここでは判断の基準について簡単にまとめておきますので、ご参考にしてください。

基準はあくまでもご参考程度に

いい葬儀社の判断基準は、求める葬儀の内容や地域性によっても異なります。ここでは一般的な基準の一部をご紹介しておりますので、基準はあくまでもご参考程度に留めておいてくださいね。

費用が明確に提示されていること

見積もりを依頼した際に、費用が明確に提示されていることは大前提。特に注目したいのが見積もりの詳細内容です。

葬儀社によってはプランとして一括りにされていることもありますが、そのプランの内容には何が含まれていて、何が含まれていないのかが分かる見積書かどうかを見るようにしましょう。

極端な例ですが、見積書に「プランA、総額10万円」としか書かれていないような場合、一見安く見えても最終的には追加料金がかかり数倍の金額になる可能性もあります。

スタッフの対応

葬儀社選びに限らず、サービス業を比較するときにはスタッフの対応を見ることは大切。葬儀社選びにおいては喪主様やご遺族の方への配慮だけではなく、故人様への配慮もしっかりとみておきましょう。

  • 質問に対して丁寧に回答してくれるか
  • 料金プランなどについて明確な返答があるか
  • 対応が迅速かどうか
  • 予算、希望プランの金額によって態度が変わらないか

スタッフの対応を見るポイントはいくつかありますが、特に重要なポイントは「人柄」でもあります。どれだけいい葬儀社だとしても、担当者の人柄次第で悪い印象になります。

担当者が人として信頼できるかどうか。その点をみていただくといいかもしれません。

契約に関するアクション

お葬式までは日数が限られているので、どうしても契約を早めにしなくてはいけない。という側面はありますが、あまりにも契約を急かすようなアクションがある場合には注意が必要かもしれません。

限られた時間の中でも、最大限に時間的配慮をしてくれる葬儀社を選びたいですね。

葬儀社選びはタイミングによっても基準が変わる

故人様がなくなってからお葬式まで、喪主様が必要とするサービス内容はタイミングによって変わってきますので、いい葬儀社の基準も変わることがあります。

また、探す方の立場が「喪主」なのか「事前相談」なのかによっても基準が変わってきますので注意が必要です。

逝去後に喪主・親族が選ぶ場合

故人様の逝去後に葬儀社を選ぶ場合、ゆっくりと葬儀社を選んでいる時間はないため、最低限の基準でスピーディーに選ぶ必要があります。

病院等からの搬送前に選ぶ(搬送を依頼する葬儀社)

まだ故人様が病院で安置されている(霊安室利用時)場合、葬儀社を選ぶ基準としては次の項目が挙げられます。

  • 24時間対応しているか
  • すぐに対応してもらうことは可能か
  • 搬送だけを依頼することができるか
  • 安置所の準備があるか

霊安室には利用時間が限られていますので、24時間すぐに対応してもらえる葬儀社を探すことが条件となります。ほとんどの葬儀社が24時間対応だと思いますが、個人でおこなっている場合や、便利屋兼葬儀社としておこなっているようなところでは対応が難しい場合もあります。

また、深夜などの搬送の場合、ご自宅の安置場所の準備のために一時的に安置できる設備があるかどうかも確認しておきましょう。

搬送後にお葬式等を担当する葬儀社を選ぶ

すでに安置所に搬送が終わっている場合、時間がないと言っても多少は余裕がある状況ですので、できるかぎり慎重に葬儀社を選ぶようにしてください。

理想は搬送をお願いした葬儀社にそのまま依頼することですので、搬送時に特にご不安な点もなく、お葬式の見積もりについても不満がなければそのまま依頼するのもいいでしょう。

もし時間に余裕がある場合は、複数社に見積もりを取って比較してみてください。

逝去前の事前相談・生前に自分で葬儀社を選ぶ場合

事前相談など、ご自身で葬儀社を選ぶ場合、かなりの時間的余裕がありますので、お葬式の内容や料金などしっかりと時間をかけて比較検討してください。

事前相談(生前相談)

事前相談はご自身のお葬式についても相談可能ですが、多くの場合ご対象者様が余命宣告を受けているような場合にもご利用いただけます。

生前に前もって相談をしておく・・・というのは縁起が悪いというお気持ちもわかりますが、今の時代では事前相談は珍しいものではありません。

ご遺族の負担を少しでも減らすため、複数社に見積もりを取り「出来るだけ安くいいお葬儀ができる葬儀社」を探してみてください。

事前相談・生前契約による割引も?

葬儀社によってサービス内容は異なりますが、事前相談や生前契約をすることによって、ある程度の割引などを用意している葬儀社もあります。割引が必ずしもいい。というわけではありませんが、納得できる割引理由がある場合は利用するのも一つの方法です。

互助会

お葬式や結婚式などのために、月々数千円から積み立てを行う「互助会」は、ご自身の生前契約の代表例。一昔前まではお葬式も結婚式も盛大に行うご家庭も多く、まとまった費用が必要になるため積み立てが必要でした。

ですが、最近ではお葬式はかなりシンプルに行われることが増えてきていて、昔のような数百万円をかけるようなお葬式は珍しくなってきています。

互助会への入会が必ずしも悪いわけではありませんが、大きなお葬式を希望されていないような場合は、入会前にお葬式のプランの内容などをしっかりと確認しておきましょう。

葬儀社選びのよくある失敗例

葬儀社選びの失敗例は数えきれないほどあると思いますが、ここではよくある失敗例をいくつかご紹介します。

見積もりと請求金額が大きく違った

見積もりが大雑把な葬儀社に多い失敗例です。

お葬式は参列者の数が把握しきれないため、お料理や返礼品の金額などど、うしても見積もりの段階では正確に出すことが出来ません。

そのため、見積もりと最終的な金額が変わることはよくあることではありますが、倍以上変わってしまうような例もあるので注意が必要です。

見積もりの際は、必ず「何が含まれて何が含まれていないのか」「何人参列を想定しての見積もりか」「一人増えるといくら変わるのか」などを確認しておきましょう。

説明と実際のサービス内容が違った

見積もりの内容と実際のサービスが異なったという失敗例です。

あまり多くはないと思いたいですが、過去のお葬式の祭壇の写真などをみて、とってもきれいな祭壇だったのに、いざお葬式をお願いしたら全然違った祭壇だった・・・。なんてこともあります。

祭壇に使うお花は季節の問題や入荷の問題もありますので、必ずしもご希望に添えるものではありませんが、過去の例だけをみて判断するのではなく、今回はこの料金でどんな祭壇になるのか、どんな斎場が利用できるのかなどをしっかりと確認しましょう。

親戚からの苦情

これは葬儀社だけの問題ではありませんが、喪主様と親戚の方の考えが異なることで失敗につながることもあります。

特に昔ながらの家柄のご家庭では、格式を重んじるなど、現代の主流のお葬式の様式では格好がつかないと感じられる場合もございます。

また、地域性による習慣、宗教による習慣の違いもございますので、お葬式の相談の際は出身地やその地方での習わしなども葬儀社にお伝えいただき、少しでも親戚の方への配慮ができるようにしましょう。

葬儀社選びに関するよくあるご質問

葬儀社選びの一番のポイントはなんですか?
ポイントは今回の記事でご紹介していますが、一番はスタッフの対応だと思います。ご予算に関わらず最初から最後まで、故人様にもご遺族にも配慮のある対応をするスタッフがいる葬儀社を選んでください。
事前相談などはどうやってしたらいいですか?
ほとんどの葬儀社ではHPなどに特に掲載がなくても事前相談を受けているところが多いと思います。まずはHPに掲載のお電話番号にお問い合わせをしてみてください。(ただし24時間対応は緊急時のみで、事前お問い合わせについては営業時間を確認するようにしてください)
お葬式の費用は前払い?後払い?
基本的には後払いでの精算となります。お葬式の費用は実際の参列者の数によっても左右されますので、お見積りと実際の費用は多少の差が出ます。そのため後払いでの精算を取っている葬儀社がほとんどです。

まとめ

今回の記事では「失敗しない葬儀社の選び方」について6つのポイントと基準を中心に解説をしてきましたが、いかがだったでしょうか?

  1. 搬送とお葬式は別の葬儀社を選ぶことができる
  2. 予算の上限を決める
  3. お葬式の規模を決める
  4. お葬式の形式を決める
  5. 2~4の内容で複数社に相見積もりを取る
  6. 事前相談をしておく

急な対応が迫られる場面で、心境的にも正常な判断が難しいタイミングですので、出来るだけ余裕を持って葬儀社選びができるように、事前相談などを出来るだけ活用するようにしてくださいね。

もしもの時はポイントの①〜⑤までをしっかりと押さえて、失敗しない葬儀社選びにしてください。