自分らしい最期のための終活・葬儀の事前準備に

お葬式の参列を辞退するときの手紙の書き方!参列できなくても気持ちはしっかりと!

何かと忙しい現代社会では、突然の訃報を受けた時にどうしてもお通夜・お葬式に参列できないことがありますよね。

そのような時、ただ「行けない」と伝えるのではなく、きちんとしたお悔やみの手紙を出すことで、ご遺族の方に気持ちを丁寧に伝えることができます。

遠方で参列できない場合、後日の弔問や代理での香典を届けることもできない場合は、香典と一緒に郵送するようにしましょう。

お悔やみの手紙(お悔やみ状)とは

お悔やみ状とは、故人様とのお別れを惜しむ弔意や、ご遺族の方の労りを伝えるために書く手紙のことで、一般的にはお通夜、お葬式のどちらにも参列できないような場合に送ります。

手紙と一言に言っても、普段友達に書くような手紙の内容ではなく、言葉遣いや敬称など、日常ではあまり使わないような言葉を使うので、初めてお悔やみ状を書く人にとってはとても難しいものに感じるかもしれません。

お悔やみの手紙(お悔やみ状)を送るタイミングは?

お通夜、お葬式に参列できない時に送るのが一般的で、初七日までにご遺族に届くのがマナーとされています。

訃報を受けた時には故人様が亡くなって数日(1,2日)経っていることも珍しくありません。初七日は、故人様が亡くなった日から7日なので、参列ができないとわかった段階でお悔やみ状を用意するようにしましょう。

また、お悔やみ状を送る時には香典を一緒に同封します。

お悔やみの手紙(お悔やみ状)を用意するときの注意点・マナー

お通夜やお葬式に参列するときに、服装や作法のマナーがあるのと同じように、お悔やみ状にも故人様への弔意を伝えるためのマナーがあります。

場合によってはご遺族の方に不快な思いをさせてしまうこともありますので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

便箋・封筒

お悔やみ状に使う便箋は白無地のもので、一枚に書きます。封筒は二重封筒になっていない、白無地の一重封筒を使いましょう。

また、封筒には短辺側が開く和封筒と、長辺側が開く洋封筒があります。お悔やみ状では和封筒を使うのが一般的です。

二重封筒の写真
二重封筒
一重封筒の写真
一重封筒

初七日までに送らなければいけないと、家にあった便箋・封筒を使いたくなってしまう気持ちもあるかと思いますが、二重封筒は「不幸が重なる」という意味合いになってしまうので、必ず一重封筒を用意してください。

コンビニなどに売っている白無地の封筒は、正式な書類(履歴書用など)を入れるための二重封筒のものが多くあるので注意が必要です。

黒がグレーのボールペンを使う

本来であれば薄墨で書くのが理想ですが、普段から筆に慣れていない人が、筆や筆ペンで手紙を書くのはとても難しいですよね。

最近ではグレーのインクのボールペンも販売されているので、グレーのものを用意するか、ない場合は手持ちの黒のボールペンや万年筆で書いてもマナー違反にはなりません。

便箋の折り方と包み方

便箋を折るときは、和封筒であれば三つ折り、洋封筒であれば二つ折りもしくは三つ折りにします。

封筒に入れる際、和封筒は書き始めが上になるように入れ、洋封筒は封筒の宛名の向きに対して、書き始めが下側、便箋の折り目が右側になるように入れます。

洋封筒の入れ方ー裏側から見た写真
洋封筒の入れ方ー表側から見た写真

切手の選び方

市販されている切手にはたくさんのデザインがあり、中には祝い事に適したもの、デザインがとても派手なものもあります。

ハガキの場合は弔事用の切手がありますが、封筒の場合は決まった弔事用の切手はありませんので、封筒に貼る場合は出来るだけシンプルで落ち着きのあるデザインのものを選ぶようにしましょう。

書き方のマナー

お悔やみ状を書くときは、弔意を正しく丁寧に伝えるため、敬称の使い方などのマナーもチェックしておきましょう。

敬称の使い方

日常会話ではなかなか使うことのない敬称ですが、お悔やみ状を書く時には下記の表を参考にして、喪主(お悔やみ状を送る相手)との間柄に合わせた敬称を使うようにしましょう。

間柄敬称
ご尊父様(ごそんぷさま) / お父様(おとうさま)
ご母堂様(ごぼどうさま) / お母様(おかあさま)
ご主人様(ごしゅじんさま) / 旦那様(だんなさま)
ご令室様(ごれいしつさま) / 奥様(おくさま)
祖父ご祖父様(ごそふさま) / お祖父様(おじいさま)
祖母ご祖母様(ごそぼさま) / お祖母様(おばあさま)
息子ご子息様(ごしそくさま)
ご息女様(ごそくじょさま) / お嬢様(おじょうさま)
兄上様(あにうえさま) / お兄様(おにいさま)
弟さま(おとうとさま)
姉上様(あねうえさま) / お姉様(おねえさま)
妹様(いもうとさま)
叔父(伯父)叔父様・伯父様(おじさま)
叔母(伯母)叔母様・伯母様(おばさま)
故人様の敬称の一例

死因を尋ねない

お悔やみ状に限らず、お通夜やお葬式でも同様ですが、故人様の死因についてご遺族の方に尋ねるようなことはタブーです。

素朴な疑問として、故人様の死因が気になってしまう気持ちは誰にでもあると思いますが、ご遺族の方にとっては辛いことを思い出してしまうきっかけになりかねません。

お悔やみ状では、ご遺族の方への気遣いを最優先するようにします。

忌み言葉を避ける

弔事には「不幸が重なる・連想させる」などの意味合いから、タブーとされている言葉が多くあります。このような忌み言葉はお悔やみ状でも使わないように注意しましょう。

重ね言葉不幸が何度も訪れることを意味するような「重なり」や「連続」を意味する言葉
例:)
重ね重ね / たびたび / くれぐれも / しばしば / また / 追って
直接的な言葉「死」などの直接的な言葉や、死因を聞く言葉
例:)
死亡 / 逝去 / 自殺 / 死因 / 存命中
不適切な表現若者言葉や略語、マイナスな表現
例:)
やばい / ぶっちゃけ / 頼りない / 頑固
仏式葬儀
の忌み言葉
ほとんどのお葬式は仏式で行われるので、このような言葉は使わないようにします
浮かばれない / 浮かばれぬ / 迷う
神式・キリスト教
の忌み言葉
神式・キリスト教のお葬式では、仏教に関する言葉は使わないようにします
成仏してください / 供養 / 冥福 / 往生
お葬式・お通夜で使ってはいけない忌み言葉

手紙の文例

お悔やみ状を書く時には、背景などの頭語や、敬具などの結語はつけずに、お悔やみの言葉で初め結びの言葉で終わります。

構成の方法

お悔やみ状を送る相手(喪主)の方との関係性によっても多少構成が変わることはありますが、基本的なお悔やみ状の構成は次のとおりです。

  1. お悔やみの言葉
  2. 訃報に対する驚き、悲しみの言葉
  3. 参列できないことへのお詫びの言葉
  4. 香典を同封していることを伝える
  5. 結びの言葉
  6. 後付け(日付・差出人・宛名)

文例

このたびはお父様のご逝去の報を受け、心からお悔やみを申し上げます。

かねてよりご療養中とは存じておりましたが、驚くばかりです。

本来であればご葬儀に伺うべきところ、遠方のためかなわず、お手紙のみとなりましたことお許しください。

心ばかりではありますが、御香料を同封いたしましたので、御霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。

ご生前のご厚情に深謝いたしますとともに、お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

令和○○年○月○日 〇〇 〇〇(自分の名前)

〇〇 〇〇 様 (相手の名前)

お悔やみ状

香典を同封する

お悔やみ状を出すときは、代理で香典を届けることが難しい場合がほとんどです。そのような場合は香典を同封します。

香典は現金を入れますので、必ず現金書留で郵送します。(現金の郵送方法は郵便法で定められています)

詳しい送り方は香典を現金書留で送る手順の記事でも紹介していますが、普段と同じように香典袋にしっかりと包み、郵便局の現金書留専用の封筒にお悔やみ状と一緒に同封します。お悔やみ状の封筒の中に香典を入れないように注意してください。

郵送した後でも後日の弔問を忘れずに

香典の郵送やお悔やみ状は、あくまでもお葬式などに参列できないときの一時的な対処です。参列できないやむを得ない事情が落ち着いた後には、出来るだけ四十九日より前に弔問をするようにしましょう。

弔問をするときは、ご遺族の方のご負担にならないよう、あらかじめ弔問をする旨を伝えておくなどの配慮が必要です。

香典を二度渡すのはタブー

弔問する際に、香典を用意したくなる気持ちもわかりますが、すでに郵送や代理で香典を出している場合、重ねての香典を渡すのは不幸が重なることを連想させてしまうため、タブーとされています。

お悔やみの手紙(お悔やみ状)に関するよくあるご質問

お悔やみ状はどんな時に送るものですか?
やむを得ない事情があり、訃報を受けたのにお通夜・お葬式のどちらにも参列できないような場合に送るのが一般的です。お通夜前、お葬式後すぐに弔問できるような場合には直接お悔やみを伝えるようにします。
お悔やみ状はどんな便箋を使ってもいいですか?
お悔やみ状は白の無地の便箋と封筒を使います。便箋は1枚のみ使用し、2枚にならないように簡潔に書きましょう。また、封筒には一重封筒、二重封筒があり、弔事では一重封筒を使用してください。
お悔やみ状はいつまでに送ればいいですか?
故人様が亡くなってから7日以内(初七日まで)に喪主に届くように送るのが理想です。訃報を受け取った時点で日数が経っているような場合は、その日のうちに送れるように手配をしましょう。

まとめ

今回の記事ではお悔やみ状の書き方、送り方について解説してきましたがいかがだったでしょうか?

お悔やみ状を書いたことがあるという人は少ないと思いますので、いざ必要になった時に周りに聞いてもわからないことも多いと思います。

  • 黒もしくはグレーのボールペン(万年筆)でかく
  • 便箋・封筒は白の無地
  • 便箋一枚に収める
  • 封筒は一重封筒
  • 拝啓、敬具などの頭語・結語は不要
  • お悔やみの言葉、訃報を受けての悲しみの言葉、参列できないお詫びの言葉、香典の同封の旨を書く

お悔やみ状を書く時には最低限このポイントを押さえて、ご遺族の方への配慮を一番に考えて送るようにしましょう。