自分らしい最期のための終活・葬儀の事前準備に

自宅でのご遺体安置でゆっくりと落ち着いたお別れを

大切なご家族が長い闘病生活を終えてお亡くなりになられた時、遠くで活躍していたご家族がお亡くなりになられた時・・・。今まで離れていたからこそ、最後の時だけでもご自宅でゆっくりとお別れの時間を過ごしたい。と願いたくなります。

最近では、お通夜・お葬式は葬儀場で行われることがほとんどですが、ご臨終から出棺まではご自宅で安置されるということは少なくありません。

今回の記事では大切なご家族とのお別れをご自宅でゆっくりと行うため「自宅でのご遺体の安置」について、準備するものや費用について解説していきます。

自宅で安置するときの準備(ご自宅で用意するもの)

自宅でご遺体を安置する場合、葬儀社や民間の安置所を利用するときよりも準備をするものが多くなります。病院の霊安室は利用できる時間が限られていますので、早急な準備が必要です。

場合によっては一時的に葬儀社の安置所を利用することも考えられますが、ご遺体の負担やお通夜までの日数を考えると直接自宅に搬送できる準備を整えるのが理想です。

※ご自宅以外での安置については「ご遺体の安置はどこですればいい?準備と流れ、費用について解説」をご覧ください。

搬送経路の確保

ご遺体の搬送は、①病院から自宅への搬送と、②自宅から葬儀場への搬送2回の搬送が必要になり、特に注意して欲しいのが②自宅から葬儀場への搬送です。

自宅で安置をされた後は、お通夜・お葬式の前に自宅で納棺をしてから搬送することになります。そのため、自宅から搬送するときは「棺桶が通る経路」の確保が必要になるということです。

棺桶のサイズは故人様の体型に合わせて、少しゆとりのあるサイズを選びます。具体的にどれくらいのサイズになるかは担当の葬儀社などに確認をしましょう。

火葬場によって受け入れの最大サイズが変わる

火葬場ごとに受け入れられる棺桶の最大サイズも異なります。サイズの確認などは葬儀社が行ってくれますので、搬送経路の確保などについても葬儀社と相談しながら確認をするようにしてください。

安置する場所の確保

ご遺体は布団に寝かせた状態で安置をしますので、布団を敷いて枕飾りをおき、ご遺族の方が付き添うだけのスペースが必要になります。大体ですが、布団2~3枚ことができるスペースがあれば十分です。

空調設備の確認

ご遺体を衛生的に安置するためには温度管理が重要です。もちろんドライアイスなどで温度の調整は行いますが、部屋の温度管理もとても重要になります。

冬場であれば安置しているお部屋は暖房を切ることができる、夏場であれば18度まで温度が下げられることを確認してください。

ご遺族の方の体調管理にも注意してください

ご遺体のための温度管理だけではなく、別の部屋ではご遺族の方が快適に過ごせる環境が作れることも確認してください。特にワンルームのお部屋の場合などでは、温度管理が難しくなります。

ご遺体を寝かせる布団の用意

ご遺体を寝かせておく布団は、故人様が生前使用していたものでも大丈夫ですが、シーツは白い新品のものを用意するようにしましょう。

また、掛け布団は厚手のものだとご遺体の温度を上げてしまう可能性があるため、出来るだけ薄いものを用意します。

市販で手に入れるのが難しい場合は、葬儀社で用意してもらうようにしてください。

装飾品の確認・人形等の目隠し

ご遺体の安置をする部屋に、お祝い事の掛け軸や装飾品などがある場合は外しておきます。

また、人形がある部屋の場合、人形の目が故人様の方に向かないように方向を変えるか、白い布などで目隠しをしておきましょう。

ご遺体の面倒を見る人の手配

葬儀社や安置所の場合、ご遺体はしっかりとした設備で安置されますが、ご自宅の場合はどうしてもいい環境とは言えなくなることがあります。

お線香、ろうそくの火を消さないための見守りはもちろんのこと、部屋の温度や弔問客の対応など、いつでも対応でいるようにご遺族同士で協力する必要があります。

神棚封じ

神道など神棚があるご家庭の場合、故人様が亡くなってから50日をすぎるまでは、神棚を閉じておく必要があります。

  1. 神棚に挨拶をし、誰が亡くなったのかを伝える
  2. 神棚の御供物を全て下げる
  3. 神棚の埃や汚れを拭く
  4. 神棚の扉を閉め、扉を半紙などで隠す(画鋲は使わずにテープで止める)

また、神棚封じはできるだけ故人様と遠い第三者に行ってもらうようにしましょう。

ワンポイント

神棚の扉を半紙で隠すのが難しい場合や、神棚の前にしめ縄がある場合は、神棚の前に半紙を天井から吊るすように貼り付けてください。そのとき、半紙が落ちてこないように天井の埃や汚れも綺麗に掃除しておきましょう。

葬儀社と相談して用意するもの

ここではご自宅で準備していただくのが難しいものをご紹介します。

もちろん、ここまでご紹介してきた準備するものについても、葬儀社と相談してご用意してくいただくことはできますのでお気軽に担当の葬儀社にご相談ください。

数珠や守刀

宗教・宗派によって異なりますが、故人様に数珠や守り刀を持たせることで、あの世で故人様を守ってもらうという習慣があります。

数珠

浄土真宗以外の仏教の場合、故人様の両手を胸の前で合わせた後に、数珠をかけます。かける数珠は、故人様が生前使用していたものを使うのが基本ですが、もしない場合は新しく用意します。

守刀

仏教・神道の両方で守刀を持たせる風習があります。故人様の胸元に短刀を置くことで、極楽浄土に無事に渡れるようにというお守りや、神道での穢れを払う意味があると言われています。

ただし、浄土真宗の場合は守刀を使用しないなど、宗教・宗派や地域の習慣によっても扱いが異なりますので、担当の葬儀社に確認を取るのが理想です。

枕飾り

枕飾りも宗教によって用意するものが異なります。宗派や地域性によっても用意するものが異なりますので、ここでは一般的な一例をご紹介いたします。

仏教・飾り台(白木台、もしくは白い布をかけた台)
・香炉
・線香
・燭台
・お花立(花瓶)
・花・植物(菊など)
・鈴
・一膳飯
・枕団子
・水
神道・八足机
・三方
・花瓶
・水
・洗米
・塩
・お神酒
キリスト教(本来は枕飾りは不要)
・白い布をかけた机
・十字架
・聖書
・白い花
・燭台
・パン
・水
【宗教別】枕飾りに用意するもの

末期の水の用意

末期の水は本来臨終直後に行うもので、病院ではご臨終の後に看護師の方が準備をしてくれるので、案内に従って「配偶者」「子供」「親」「兄弟姉妹」「子供の配偶者」といった順番で行います。

ただ、ご遺族全ての方が病院で最後を看取ることができるわけでないので、自宅に弔問された際に行っていただけるように用意をしておくことも多くなっています。

箸の先に脱脂綿を糸で縛ったものと、水を用意しておきましょう。

自宅安置にかかる費用

自宅で安置する場合、基本的には「ご遺体の搬送料 + ドライアイス(日数分)」がかかります。搬送距離や葬儀社によっても費用は異なりますが、おおよそ50,000円以内に収まることが多いようです。(葬儀社の安置所を利用の場合は100,000円前後)

ドライアイス

ドライアイスはご遺体を安置する日数分が必要になります。ご臨終から火葬までの日数で、ご自宅から葬儀場に搬送された後にも必要になるものです。

葬儀社などによっても費用は異なりますが、おおよそ1日あたり7,000円程度の費用がかかります。

光葉葬祭の料金について

光葉葬祭ではプランによってドライアイスの料金は日数分全て含まれているものと、一日ごとにかかるものがございます。火葬場の利用状況などによって安置日数も変わってきますので、葬儀プランのご確認だけではなく、葬儀担当者にお気軽にお尋ねください。

搬送料

こちらの費用も葬儀社によって異なりますが、搬送費用は距離に応じて変動します。

多くの葬儀社では10kmまではプラン内容に含まれる費用で、10kmを超えると追加費用(10km毎に数千円)かかるが一般的です。

自宅安置の注意点

自宅での安置は、慣れ親しんだ落ち着ける場所で故人様とのお別れを過ごせる一方、準備や周りへの配慮など、注意しなくてはいけない部分もあります。

メリット・デメリット

一番のメリットは、出棺までの間ゆっくりと故人様に付き添うことができることです。

葬儀場や民間安置所を利用する場合、どうしても面会時間などの制限がありますが、自宅での安置の場合はそういった制限なく、故人様とのお別れ・会話をすることができます。

デメリットは周りへの配慮とご遺族の方の体調面への影響です。

搬送の際に葬儀社のスタッフが出入りをしますので、どうしてもご近所の方の目に触れる可能性が高くなります。ご近所付き合いの問題などから、あまり周りに知られたくないご遺族の方もいらっしゃると思いますので、その辺りがデメリットになる可能性があります。

また、24時間付きっきりで故人様の面倒をみてしまうご遺族の方もいらっしゃるので、体調を崩されてしまう方も少なくありません。ご遺族の方で協力し、交代をするなどして体調を崩さない程度に休むことを意識してください。

気温・湿度

ご遺体を安置する部屋の温度管理はとても重要で、夏でも冬でもご遺族の方にとっては「寒い」と感じる室温を維持する必要があります。

夏場では室内のエアコンを最大まで強くして18度をキープし、冬場では暖房を使いません。

ご遺体の安置する部屋と、ご遺族が過ごす部屋を別に出来るような環境が必要です。

霊安室の利用時間

霊安室からは2~3時間で搬送をする必要があるなど、利用できる時間に限りがあります。

急な訃報でご自宅の安置場所を準備する時間がないということも考えられますので、そういった場合は一時的な安置所の利用なども検討する必要があります。

ろうそく・線香の管理

ろうそくや線香などの「火」は、この世とあの世を結ぶ役割を持っているとされ、故人様が道に迷わないようにする道標の役割があります。

そのため、お通夜からお葬式までの間「寝ずの番」をする風習があります。

現代ではこの風習は少しずつ薄れてきていますが、親戚付き合いの多いご家庭の場合は守るべき風習として残っていることもあるでしょう。

そういった場合、夜間だけでも長時間燃え尽きない線香や、電気ろうそくなどを使うなど、ご遺族の方の体調面にも配慮してください。

自宅でのご遺体安置に関するよくあるご質問

アパートでも自宅安置することはできますか?
通常は搬送経路と安置するスペースさえ確保できれば可能です。ただし、賃貸住宅の場合は入居時の利用規約などで禁止されている場合もございますので、念の為ご確認をしていただくことをお勧めいたします。
マンションで安置することはできますか?
マンションの場合、ご遺体を搬送する際にエレベーターの利用が困難なことがあります。階建てにもよりますので、葬儀社にご相談ください。また、マンションの住民規約によってはご遺体の安置が禁止されている場合がございますので、管理会社等に確認を取るようにしてください。
自宅で安置するのに必要なものは葬儀社で用意してもらえますか?
ほとんどの葬儀社は自宅での安置に対応しておりますので、必要なものについても用意が可能です。神奈川県厚木市周辺のお客様であれば、光葉葬祭が責任を持って担当させていただきますので、お気軽にご相談ください。24時間受付(046-234-0400)

まとめ

今回は自宅でのご遺体の安置について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

昔と違い、自宅での安置をするご家庭や、できる環境が減ってきていますが、できることなら最後はご自宅で。と考えるご遺族の方は多いですよね。

環境が整っていない場所での安置は、故人様にもご遺族の皆様には大きな負担になる場合もございます。

葬儀社や民間の安置所でも、故人様、ご遺族の皆様が快適に過ごせるように、多くの工夫をしておりますので、自宅での安置が難しい場合は安置所のご利用も検討してみてください。