故人様のお通夜・お葬式が終わってひと段落したのも束の間。お葬式当日にお礼を言えなかった方に、どうやってお礼を伝えればいいのかな?と悩まれる方も多いと思います。
近年のお葬式では、会場ですでに香典返し(会葬御礼)を渡していることがほとんどですので、ご参列いただいた方へ後からのお礼は必要ありません。ですが、お葬式に参列できず、香典だけを届けてくれた方、弔電や弔辞、供花を出していただいた方には、お礼を伝える必要があります。
お礼の仕方には「直接会う」「電話」「お礼状」などいくつかの方法がありますが、今回の記事では「お葬式に参列していただいた方へメールでお礼をする場合」について、詳しくご紹介していきます。
メールはいち早くお礼を伝える最善の方法
正式なお礼としては、直接対面でお礼を伝えることが望ましいのですが、メールや電話などを使うことで直接会いに行くよりも早くお礼を伝えることができます。
特にメールの場合はある程度の雛形を用いて一斉に送ることもできるため、お礼を伝える相手が多い場合には電話よりも早く多くの人に伝えることが可能です。
どんな場合にメールでお礼を出していいのか
メールでのお礼はあくまでも略式のものとなりますので、正式にお礼を伝えるべき相手の場合にはメールではなく直接訪問や、難しい場合は電話でお礼を伝えてください。
メールが利用されるのは、親しい間柄の親族や友人、香典返しを辞退された方へのお礼の時が多いようです。
- 親しい間柄の人(親戚・友人)
- 直属の上司等
- 香典返しが難しい相手(辞退されている方、連名の方)
メールでお葬式のお礼をするときの基本的な注意点
メールでお礼を送るのは電話や直接会ってお礼を伝えるよりも気軽で早いのが利点ですが、お葬式に参列してくれた方、もしくは香典や弔辞をいただいた方に失礼がないように、最低限のメールのマナーを守るようにしましょう。
「メール」は出来るだけ早いタイミングで送る
メールの利点は電話や直接よりも「早いタイミング」で伝えることができる点。
そのため、メールでのお礼は出来るだけ早く伝えるようにしましょう。理想としてはお礼状を郵送した場合よりも早いタイミングの、お葬式が終わってから1週間以内が理想です。
その際、略式でのお礼になることへの謝罪を最後に付け加えるようにします。
件名は分かりやすく簡潔に
これはお葬式のお礼メールに限らず、メールの件名は出来るだけ簡潔に分かりやすいものにします。
件名がわかりにくいものだと、開封されずに埋もれてしまう場合や、迷惑メールに振り分けられてしまう可能性もあります。
お葬式のお礼としてメールを送る場合は「葬儀参列のお礼(名前)」など、スマホのロック画面で通知を見ただけでも内容がわかるような内容にしておきましょう。
句読点は使わない
冠婚葬祭の文字には句読点をつけないのがマナー。
メールの場合はそこまでマナーに気をつける必要がない。という考え方もありますが、できれば気をつけておきたいポイントです。
句読点をつけない。ということは、ただ闇雲に文字を繋げていくのではなく、本来句読点をつける部分にスペースを入れて文章を作成します。
例)先日は、葬儀にご参列いただきありがとうございました。
↓
先日は 葬儀にご参列いただきありがとうございました
宗教・宗派に気をつける
喪主側からのメールなので、そこまで気にする必要はありませんが、親族の方へのメールなどの場合は宗教・宗派による言葉の違いなどを気にされる場合もあります。
また、地方による表現や尊敬語の使い方などにも注意が必要です。
仏教で使える言葉
香典・法要・供養 など
神道で使える言葉
帰幽・御玉串料
キリスト教で使えること言葉
昇天・帰点・召点・諸式
その他
逝去は尊敬語なので、身内が使う場合は「死去」を使う
一斉メールは設定に注意が必要!
メールは複数人に同時に送信できることができますが、お礼のメールとしては一人一人微妙に違った文章になることもありますので、一斉メールで送る際は同じ文章でも大丈夫かどうかをしっかりと確認するようにしましょう。
また、メールを一斉に送信する場合、to、cc、bcc、と送信先のメールアドレスを入力する箇所が3つあります。
お礼のメールの場合は一斉メールといっても、あくまでも一人一人に送りたいメールですので、同じ内容だとしても個別にメールを送るようにした方がいいですね。
ビジネスメールで使うようなcc、bccを使った一斉送信は絶対にしないようにしましょう。
メール本文に記載すること
メールの書き方としては、基本はビジネスメールと同じようなマナーに注意しながら書いていきます。次のステップで例文も紹介していますので、手っ取り早くメールを作成したい方は例文をご参考にしてください。
故人様の名前
あまりない状況ではありますが、同時期に複数のお葬式に参列された方がいらっしゃる可能性もあるため、必ず誰の葬儀に関しての内容かがわかるように故人様の名前を入れるようにしてください。
喪主と親しい間柄であれば喪主の名前だけを見てもわかることがありますが、代理でいただいた名刺のアドレスに送る場合などでは、特に故人様の名前が重要になります。
頭語・結語はどちらでもOK
なるべく簡潔な内容にするため、時候の挨拶などは省略しますが、頭語・結語については入れても入れなくてもどちらでも問題ありません。
ただし、頭語と結語には必ず組み合わせがあり、正しい組み合わせとシーンにあったものを選ぶ必要がありますので、普段から使い慣れていない場合は省略してしまった方が良さそうです。
もし頭語・結語を使う場合は「謹啓」「謹言」の組み合わせを使うのが一般的です。
お礼を伝える
お葬式の参列や香典をいただいたことへのお礼をいち早く伝えるメールですので、本文には必ずお礼の言葉を使うようにしましょ。
お礼については本文の中でも出来るだけ早い段階で伝えるのが理想です。
略式であることの謝罪
お礼を伝えた後は、相手のことを思う気持ちや、相手に心配をかけないように自分たちが前向きになっていることを伝え、最後に略式でのお礼になることを謝罪します。
謝罪というと少し重苦しく感じてしまいますが、「取り急ぎメールにてお礼をさせていただきます」など、このお礼が略式であるということが伝わるような内容であれば問題ありません。
喪主の名前
ビジネルメールのマナーで、本文の最後に署名をつけるのと同様、本文の最後には喪主(差出人)の名前を書くようにしましょう。
件名にも入れておくとさらにわかりやすくなります。
また、本文の最初に頭語を入れた場合は、喪主の名前の前に結語を入れるのを忘れないように注意してください。
【例文】メールでお葬式のお礼をするときの例文
できればお礼の言葉は自分で考えて作りたい・・・。とは思いますが、慣れない言葉遣いでお礼の言葉を考えるのはとても難しいのが現実。
ここではいくつかの例をご紹介しますので、ご自身の状況にあったものを選んで、書き換えて使ってみてください。
参列者の方へのお礼メール(会葬礼状)
件名:葬儀参列のお礼(喪主名)
〇〇様
先日はご多用の中 亡父〇〇の葬儀にご参列いただきありがとうございました
おかげさまで無事に葬儀を終えることができました
本来であれば 直接お伺いしてお礼を申し上げるべきところではございますが 取り急ぎメールにてお礼かたがたご挨拶申し上げます
喪主名
弔辞・弔電をいただいた方へのお礼メール
件名:弔辞のお礼(喪主名)
〇〇様
先日は 亡父〇〇の葬儀にご丁寧な弔電をいただきまして ありがとうございました
おかげさまで つつがなく葬儀を終えることができました
本来であれば 直接お伺いしてお礼を申し上げるべきところではございますが 取り急ぎメールにてお礼かたがたご挨拶申し上げます
喪主名
供花をいただいた方へのお礼メール
件名:供花のお礼(喪主名)
〇〇様
先日は 亡父〇〇の葬儀に際しまして ご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を頂戴いたしまして ありがとうございました
生前から大好きだった花に囲まれ 父もさぞ喜んでいることと存じます
おかげさまで つつがなく葬儀を終えることができました
本来であれば 直接お伺いしてお礼を申し上げるべきところではございますが 取り急ぎメールにてお礼かたがたご挨拶申し上げます
喪主名
お香典をいただいた方(代理等)へのお礼メール
件名:お香典のお礼(喪主名)
〇〇様
先日は 亡父〇〇の葬儀に際しまして 過分なお心遣いをたまわりましたこと 心から御礼申し上げます
おかげさまで つつがなく葬儀を終えることができました
本来であれば 直接お伺いしてお礼を申し上げるべきところではございますが 取り急ぎメールにてお礼かたがたご挨拶申し上げます
喪主名
※メールでのお礼はあくまでも略式!メールだけで済ませないように
何度もしつこいようですが・・・。メールでのお礼はあくまでもスピード重視の略式でのお礼ですので、親しい間柄の人だけに送りましょう。
また、四十九日や納骨が終わった後など、気持ちも落ちついた頃に近況報告も兼ねて直接お礼を言いにいくのが理想です。
また、遠方の方で直接会いにいくのが難しい方の場合は、メールではなく正式なお礼状を書くようにしましょう。
お葬式のお礼メールに関するよくあるご質問
- お礼のメールはcc、bccを使って一斉送信をしてもいいですか?
- 本来は一人一人に直接挨拶に行くべきところ、略式でのお礼としてメールを利用していますので、一斉に送信するのではなく一人一人に送るようにしましょう。メールの内容は同じでも構いませんが、cc、bccなどを使うと一斉に送っていることが相手に伝わってしまいます。
- お葬式に参列していただいた人にメールを送る必要はありますか?
- 参列者の方には当日にお礼を伝えている(会葬御礼など)ので、メールを送る必要はありません。
- 忌引きをもらったので、会社の上司に連絡をしたいのですがメールでもいいですか?
- 会社関係(特に直属の上司)には、忌引きをいただいたお礼も兼ねて、葬儀が無事に終わったことをメールで報告して問題ありません。上司との関係性によっては直接電話をした方がいい場合もありますが、少しでもご遺族の負担を減らすためにはメールでも問題ないでしょう。
まとめ
今回の記事では、お葬式のお礼をメールで伝える方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
メールでのお礼はあくまでも略式的なもので、正式にはお礼状を出すか直接お礼に行く(挨拶回り)のが理想ではありますが、お葬式自体が日々縮小傾向にあるので、今後はメールでのお礼がより一般的になるのかもしれません。
メールでお礼を伝える場合は、相手との間柄に注意しながら、次のポイントを忘れずに送ってくださいね。
- 送るタイミングはできるだけ早く(お葬式から1週間以内)
- 件名は分かりやすく簡潔に(葬儀のお礼 喪主名)
- 句読点は使わない(代わりにスペース を使う)
- 宗教・宗派などの言葉遣いに気をつける
- 同じ文章でも一斉メールではなく個別に送信する